コンテンツかビジネスか

将来なりたい職業、男子中学生3位に「YouTuber」1位は? | リセマムhttps://resemom.jp/article/2017/04/25/37814.html


男子中学生の「将来なりたい職業」の3位がYouTuber。2017年の調査。


かつて僕が中学生だった時、「サラリーマンではなく、自分の思い通りにコンテンツを作って生活する人」というのは、ミュージシャンか、漫画家か、お笑い芸人だった。今、中学生男子にとってのその座はYouTuberに奪われてしまった。今の男子中学生には、芸能人や漫画家という発想はあまりないようだ。トップ10にも入っていない。


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僕が中高生だった時(今35歳なので1996〜2002あたり)、「サラリーマンは社会の歯車でダサい。ミュージシャンがカッコいい生き方。でも、売れているミュージシャンは〝ビジネス〟というものに悪魔に魂を売っているダサい生き方。」みたいな感覚を持っている人が結構多かったと思う。


90年代までは、ロックンロールはビジネスへのアンチテーゼだった。そんなロックンローラーに憧れている人たちは、アイドルをディスっていた。


アイドルはビジネスの世界で産まれた「商業的音楽」という感じだったので、ロックンロール界から敵視されていた。安室奈美恵やSPEEDなど、若い女の子も「アイドルではなくアーティストである」という建前で売り出されていった。ミュージシャンのことをわざわざ「アーティスト」と言い換えるようになったのはこの頃だと思う。


その後、アイドルグループが大量に発生し、「地下アイドル」なるものも生まれ、メインカルチャーに対抗するように活動するアイドルグループも出てきた。そこには「社会の歯車」感はなく、 むしろ社会に対抗する表現方法としてのアイドルソングが産まれていった。いまは「〝アイドルをダサい〟って言うなんてダサい」という感じになっている。


今現在、「ミュージシャンがビジネスを否定する」というテイストのものはあまり見られなくなった。ゴールデンボンバー岡崎体育、レペゼン地球など、「ミュージシャンがビジネスに対して〝悪ノリ〟する」というものはあるけれど。


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冒頭の記事によると、男子中学生のなりたい職業の7位に「社長などの会社経営者・企業家」というのがある。


起業家がカッコいいというイメージは、僕が中高生のころはなかったと思う。スポーツ 選手と同じように「人生を犠牲にして特定のことを頑張り続けた結果到達するもの」というようなイメージだった気がする。


起業家に「反逆児」的なイメージがついたのは、ホリエモンが出てきてからだと思う。球団買収や、テレビ局の親会社であるラジオ局の買収など、それまで誰もやったことがないようなことを試みていた(そして2つとも失敗した)。


その後、GAFAの台頭があり、ZOZOTOWN前澤友作SHOWROOMの前田裕二など社長業以外で話題になる起業家も出てきた。そんな中で徐々に「起業家はカッコいい」というイメージができてきたのだと思う。


かつて、エレキギターなどの出現によって音楽が若者のものになったのがロックンロール。いま、インターネットの出現によって経済が若者のものになり、若い起業家が増えた。そう考えると、かつてはロックンローラーが言ってたようなイケイケなことを、いまは起業家が言っているという現状もうなづける。


イケイケなこと(もっと適切な日本語がありそうだけど思いつかない)の1つとして、「お金儲けを目的とすると必ず失敗する。〝社会課題の解決のためにお金を集める〟というように、目的を他に置いて、手段としてお金を考えるべきだ」というのがある。いろんな起業家がいろんなところで言っている。


社会課題のために起業して商品を売るか、音楽を作ってみんなに聴かせるか、漫画を描いてみんなに読ませるかは、目的を同じとした手段の違いでしかない。起業家とミュージシャンと漫画家は似たような部類に属していると言えそうだ。


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「言いたいことを言う」とか「やりたいことをやる」とか「作りたいものを作る」ということは、時代を超えて少年少女たちの憧れである。その憧れの存在は時代を越えて職業名は変わってはいるものの、ミュージシャンであれ、漫画家であれ、起業家であれ、YouTuberであれ、「内なる衝動に突き動かされて活動を行う」という共通点がある。


ビジネスがあるからこそ、コンテンツ作成で生活する人が存在できる。でも、ビジネスを否定したり、ビジネスに悪ノリしたりすることでもコンテンツは生まれる。ビジネスとコンテンツの関係は面白いなあと思う。


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文章がまとまっていないが、ブログなのでこれでいいかなと思う。言いたいことがあるというよりかは、「ビジネスとコンテンツ」についてちょっと書いてみようと思っただけなので。